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すき家が大変

 鳥取市の社会保険労務士の田中伸一です。

 最近都市部で外食産業を中心にアルバイトの人員確保が難しくなっているとのニュースをよく見かけます。地方ではなかなか実感できませんが、都市部においては景気の回復であらゆる業界で人員不足に陥っているようです。そうなると「ブラック企業」なんて言葉がはやりましたが、当然に労働環境の良くない業種や企業はたちまち苦しい立場に追い込まれてしまいます。

 ただ、冷静に考えると日本がデフレマインドに陥っていて、商品を安くしないと売れない、しかしただ安く売っても収益が悪化するばかり、ということで安い非正規雇用、パート、アルバイトを活用して、なんとか生き延びてきたのが現実だと思います。

ただ単に企業側の非を責めればいいというわけではなく、構造的に日本社会がそうせざるを得ない状況にあっという側面もあると思います。黙っていてもどんどんと所得が上がっている高度経済成長期であれば、多少の不満や問題があっても表には出てこないでしょう。農業中心から製造業が台頭してきた戦後の日本から、バブル崩壊後、円高の影響もあって今度は製造業からサービス業中心の産業構造の変化が起こりました。その中でフランチャイズというモデルがどんどん増えてきて、日本どこでも同じ看板を見かけるようになったのもここ10年~15年くらいの間だったと思います。まぁ、フランチャイズがいいのか悪いのかは別にして、デフレ下の中、効率を追究して出来上がったシステムであり、時代に合っていたからこそここまで勢力を拡大してきたのだと思います。今ではいろいろと問題も取りざたされていますが、これまで急激に成長をし、マスコミなんかに登場をする機会も増え、日本になくてはならない存在になったともいえると思います。

アベノミクスから景気の回復傾向でこれからは、これまでの企業の人材に関する考え方、取り組みが非常に重要になってきました。これまでは就職氷河期なんていわれていましたが、若年層の人口も減少している中、採用氷河期なんていわれる時代がくるかもわかりません。ある程度待遇面も含めてしっかりと取り組んできた企業とそうでない企業が明るみになってきたともいえると思います。

以下、ネットニュースより引用します。
 牛丼チェーン大手「すき家」が人手不足で苦しんでいる。店舗リニューアルのために3月中旬から一時閉店させていた100店以上が、店舗従業員などが集まらず開店できずにいることが、28日までに分かった。
 すき家を運営するゼンショー広報部によると、3月中旬から改装のため167店舗を随時閉店。4月下旬までにそれぞれ開店を目指していた。しかし、現在まで開店できたのは数店舗で、百数十店舗が閉店したままだ。担当者は、「5月中に開けられる店舗を調整しているところですが、5月末までに開けられない店舗も出てきそう」と話す。
 リニューアルするにあたり、強盗などに狙われやすい深夜に1人で営業する「ワンオペレーション」を解消しようと人員を増やす方向で募集をかけているが、希望者が思うように集まっていないという。担当者は、「例年、4月は求人に対して希望者が増えるのですが、今年は想定を下回っています。新卒(採用)の応募者も減っていますし」と頭を抱える。
 また、店舗を改装する建設業者が不足しており、工事の遅れにつながっているという。担当者は「どの業界も人手不足が深刻なようです。早急に開店させられるよう頑張っておりますので、もう少しお待ちください」と話した。
 想定外の事態は、経営にも影響を及ぼしそうだ。担当者は「改装費などは2年かけて回収する予定で工事しています。工事期間が長引けば売り上げなどにも影響が出ますし、営業面でも厳しい」と明かした。
(日刊スポーツより引用)
 

 すき家といえば、急拡大をし、店舗数でも外食産業では断トツの1位の企業です(書くまでもありませんが)。円安もあり株価もかなり上がった時期もありました。吉野家と比べても豊富なメニューでテーブル席もいち早く導入し、順調に売り上げを伸ばしてきた企業です。それが一変して、現在のような状況に陥っているわけです。多少のことはあっても店舗すら開けられない事態というのはやはり異常だと思います。さすがに深夜のひとり体制はまえから問題が指摘されていましたし、効率至上主義が招いた弊害ともいえると思います。

 すき家のことを書きましたが、ワタミも問題になりましたし、洋食屋のサイゼリアも以前に入ったらたまたまかもわかりませんが、忙しい昼の時間帯にホールをひとりで切り盛りされているのを見て、大変だなぁと思ったこともあります。ここにきてユニクロも労働環境の劣悪さなんかでマスコミに取り上げられているのを見かけます。

 一方、おなじ牛丼チェーンの吉野家ではそういった問題は起きていませんし、スタバなどもともとパートでもしっかりとした労働環境を提供していたところは、逆にそのことが取り上げられています。しかし、そのスタバですら、正社員化の推進等労働力確保に追い込まれています。

 ということで今後は雇用対策から従業員の定着対策が必要になってくると思います。当然にどの企業でもそのようなことは考えていると思いますし、実際に採用した従業員は定年までいてもらいたいと言われる経営者もおられます。これだけ経済状況が目まぐるしく変わる現代で、従業員を雇用し続けるという重責を担っている経営者というのは本当に大変だと思います。しかし、景気が悪いからリストラ、人が足りないから採用ということを繰り返すといったことは今後はできなくなるのではないかと思います。
 
 長い目で、会社に貢献できる社員に育てていくのも大変だと思いますが、これからはきちんと従業員の努力が目に見える形で報われるようなそんな体制なりシステムが必要になってくると思います。限られた資源の中で、賃上げ、正社員化、福利厚生の充実・・・それに耐えうる会社運営をしていかなければ生き残っていけない時代になるのかもわかりません。それだけに経営者の経営力がもっともっと求められるのではないかと思います。


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Author:リワーク
鳥取市の社会保険労務士の田中です。日々の雑記からビジネス本の紹介から趣味の話まで、色々書いていきます。
企業の経営者、人事・総務担当の方からビジネスマンの方まで、役立つ情報をお届けいたします。
気軽になんでも相談してもらえる社労士を目指して、日々奮闘中です!お問い合わせは tanaka@rework-tottori.com 田中まで

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