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経営者は中堅にも若手にもそれぞれのメッセージを!

鳥取市の社会保険労務士の田中伸一です。

 社会保険労務士という仕事を始めて7~8年がたちました。時間の早さも感じてしまいますが、振り返るとはじめた当時は就職難ということもあり、国も地方自治体も雇用対策に躍起になっていました。しかし、その当時からおそらくこの状況は長くは続かないだろうといわれていました。それだけに、苦しい時期だけど今優秀な人材を確保しておくべきではないかという意見もありましたが、それでも中小企業は雇用を守るのに必死で採用を積極的に行うこところは少なかったと思います。


 それが今は空前の採用難になっています。特に若い人材を確保することは、小規模な事業所ではかなり厳しくなっていると思います。それもそのはずで、中小にかぎらず大手企業でも若手、新卒の採用のためにいろいろな取り組みを実施しています。

空前の採用難、大手も中小も待遇改善に工夫凝らす
いかに学生を確保し継続して働ける環境をつくるか

以下、日刊工業新聞ネット記事より引用です。

山善は総合商社並みの月給水準に、トヨタは新社員寮
 2019年春採用に向け就職活動の面接などの選考が1日に本格的に解禁された。売り手市場が続く中、従業員300人未満の企業では求人倍率が10倍近く、空前の採用難となっている。大手企業のみならず、中堅・中小企業でも人材確保に待遇の改善など工夫を凝らす動きが目立つ。

 機械商社大手の山善は18年4月入社の新入社員から、大卒総合職の月額給与を21万2000円から24万円引き上げた。「ベンチマークとしていた総合商社並みの水準」(尾崎良寛広報・IR室長)という。

 トヨタ自動車は数十億円以上を投じ、本社近くの平山地区にある社員寮を19年1月の完成予定で建て替えている。老朽化に伴う措置ではあるが、建て替えを機に規模や設備を充実させ、福利厚生の向上につなげる。

 仕事と家庭などを調和させる「ワークライフバランス」を制度として強化する動きも見られる。

 クボタの佐々木博明広報室長は「17年度の有給休暇取得実績は約90%。有休の完全取得推進をアピールしている」と語る。有休制度も1日や半日単位から時間単位へ変更した。

 日本電産は4月に「配偶者転勤休職制度」を導入した。配偶者の転勤(国内外)に同行して就業が難しくなった際、最大3年間の休職を認める。共働き世帯の増加など、社員の生活様式の多様化に対応する。

 金融業界でも、地方銀行の間で結婚や介護などで転居するため退職せざるを得ない行員を転居先の銀行に紹介する取り組みが広がっている。

 また日本人学生のみならず、外国人の採用も大手間では奪い合いになっている。幅広い学生を呼び込める土壌を整えており、ヤンマーではイスラム教の戒律に沿った「ハラール」への対応を進める。

 「本社の社員食堂はハラール対応食を提供するほか、祈祷(きとう)室も用意」(ブランドコミュニケーション部広報グループ)している。
中小企業への就職希望者は求人数のわずか10分の1
 新入社員ならば誰もが抱く理想と現実のミスマッチは中堅・中小企業にとっては致命的になりかねない。

 リクルートワークス研究所の調べでは、従業員300人未満の企業では希望者数が求人数を下回る状況が続く。19年卒の求人数46万2900人に対し、希望者数は約1割の4万6700人にとどまる。いかに学生を確保し継続して働ける環境をつくるか、大手以上に頭を悩ましている。
 「このところ技術系新卒に関し退社はゼロ」。東洋技研(長野県岡谷市)の花岡孝社長は胸を張る。工業用端子台製造が主力の同社では、就職試験前の段階で技術系学生に対して全工程を案内する。

 プレス、組み立て、自動化装置製造などの現場を見せながら、先輩社員が面白みをじっくり説明。事前すり合わせを徹底し、入社後は希望部署に配置する。

 「就業規則で縛ると優秀な人材を確保できない」と語るのはICST(さいたま市中央区)の横井博之社長。医療機器の3国間貿易などを手がける同社では4月に在宅・時短勤務を導入。従業員の1人は在宅と時短を併用し、出社するのは月に5回だ。

 国内の少子高齢化が進む中、中堅・中小にとっても海外人材の活用は不可避だ。
 「国内で溶接技能者を募集しても今は集まらない」。プレファブ鋼管の製造が主力の多久製作所(大阪市中央区)の奥田信夫社長は採用の難しさを訴える。溶接技能者を安定確保するため、ベトナムの職業訓練校とパートナーシップ契約を結んだ。

 砂型鋳造を手がける東亜成型(大阪市西淀川区)は会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用する。ベトナム人の社員がフェイスブックで情報を発信。社名が知られるようになり、同社として2人目のベトナム人社員が入社した。浦竹重行社長は「社員募集というだけでなく、楽しくやりがいがあると伝えることが大切」と話す。
(日刊工業新聞ネット記事より)

 この記事から、若い人材の確保ために、労働環境のよさ(有給休暇の取得のしやすさ、残業の少ないこと)をアピールしたり、初任給の引き上げを行ったり、転勤について本人の希望を聞いたりと企業側のなんとか人材を確保したいという意図が強く感じられます。バブルの頃は内定の学生に海外旅行をプレゼントしたり、豪華な食事会の席をもうけたり、就職前の学生をあの手この手で囲っていたようですが、今はそういったものより、働く環境や自分の時間が確保できること、将来のライフプランも視野に入れて希望をかなえてくれる企業等を基準にしていたり、学生の質もずいぶんと変わっているように思います。ある意味、いろいろいと言われていますが、本当に今の若い世代は賢いといえると思います。

 こうした傾向は、もしかしたら経営者からはもの足りないという印象を受けるかもわかりません。「頑張って、頑張った分は給料という形で還元されるからどんどん頑張れ」といってもピンとこない若手は多いのかもわかりません。自分の仕事をきちんとこなせば、その対価を得られるという考えは、ヨーロッパのように職種によって賃金が決まる考えに近いように思います。自分の仕事が終わったら、周りが残っていても帰って、自分の時間を確保するという考えに違和感を感じるオトナは多いかもわかりませんが、逆にいえばたいして用もないのに残って、少し手伝ったところでどれだけ違うかというと本当に気持ちの問題によるところが大きいと思います。

 就職氷河期に入社した層やその世代の層は、多少勤務条件が厳しくても、就職難を経験しているので、文句も言わずやってくれるかもわかりません。ただ、そのイメージでずっと経営者がいると、その企業の将来は厳しいかもわかりません。なかなか正社員の給与が伸びないのは、就職氷河期を経験している30代後半から40代の働き盛りの世代が給料は上がらないものだという幻想を持ってしまっていることもあると思います。その感覚でいると、今の20代にはとても受け入れられるものではないと思います。
 大企業は史上空前の利益を上げていますが、その利益は株主の配当に多く回り、あとは内部留保になっているので批判は大きいです。ただ、中小企業や小規模な企業では、株主の顔色を伺うこともないので、仕事に対する対価の基準を明確にして、利益の配分がどうなっているのかを伝えたうえで、評価制度を入れたり、賃金体系を作成することで、経営者のメッセージも伝えることができると思います。きちんと利益が出れば、社員に還元されるということが分かれば、社員もどうしたら効率的になるかを考え、日々の動きも変えていこうという意識が出てくると思います。

 中堅の層には、給料はきちんと評価されれば上がるというメッセージ、若手には効率的に仕事ができれば、自分の時間もきちんと確保されるというメッセージを送ることができれば、今後の働き方の世界基準に合わせた流れや「同一労働同一賃金」の法制化にも対応ができると思います。

 あと、外国人実習生の受入れ動きはもはや今後どんどん加速しそうな勢いですが、またこれについては機会があれば書いてみたいと思います。

 日本もドイツのように生産性の高い国になるために、今後数年の日本企業の取り組みが、日本という国が先進国として今後も生き残れる正念場になるかもといわれていますが、企業規模にかかわらず、常に経営者の意識改革は必要かなぁと思ってしまいます。

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リワーク

Author:リワーク
鳥取市の社会保険労務士の田中です。日々の雑記からビジネス本の紹介から趣味の話まで、色々書いていきます。
企業の経営者、人事・総務担当の方からビジネスマンの方まで、役立つ情報をお届けいたします。
気軽になんでも相談してもらえる社労士を目指して、日々奮闘中です!お問い合わせは tanaka@rework-tottori.com 田中まで

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